今回の活動の母体となっている「TREES」は、建築やデザインを学ぶ学生・社会人による議論の場を生み出すことを目的に、2012年より定期的なイベントを行ってきました。奇しくも弊社設計士である私、杉田宗が昨年3月のイベントで発表する機会を与えて頂き、その後も広島に関わりのある若手建築家を中心に20名近くのゲストが登壇してきました。このイベントでの人的交流も盛んになり、そこからのコラボレーションなど、様々な波及効果も生まれつつあります。事実、今回弊社と同じく共催として参加しているSmall house design lab.の田中健二さんは私の次の「TREES」に登壇され、その後弊社と協働で進めてきたプロジェクトが現在施工中です。「TREES Work Session」はそういう環境の中から必然的に生まれてきたプロジェクトであると考えています。 「TREES Work Session」ではこれまでTREESに登壇した建築家やデザイナーが中心になり、宮島口のグラウンドデザインを募る「宮島口まちづくり国際コンペ」に向けてデザイン活動を行うプロジェクトです。これまで、この様なデザインコンペは建築家や設計事務所の競争の場とされてきましたが、まちづくりに向き合う場だと捉え直し、若い建築家やデザイナーが集まる協創の場を作る試みです。集まって一つの案を絞り出すというのではなく、プロポーザルを練る段階でそれぞれの案を批評しあうことで、より良い案を地元から数多く出すという目標があります。また敷地模型や敷地に関するリサーチ等、共有可能な部分は積極的に協働し、これらのプロセスをできる限り表に出していくことで、一般の人たちがデザインプロセスに触れ、まちづくりに有効な様々な意見やアイデアが集まることを目指しています。 プロポーザルをまとめる建築家やデザイナーに対しては、異業種の混じったデザインチームを作って参加することを勧めています。これはまちづくりを考える多角的な視野をもってコンペに臨んでもらいたいという願いと、こういう機会だからこそ新たな横の繋がりを作る機会としてほしいという意図があります。また、参加するデザインチームに対し、以下のルールを設定しています。
4月前半のTREES Labを振り返ると、非常に有意義な活動になっていると感じています。この期間中は敷地模型制作を中心に進めて来ましたが、店舗の一部をお借りして作業させてもらうことで、実に多くの人たちといろいろなお話しをする機会に恵まれました。宮島や宮島口に対する考えを話してくれる人、建築家の仕事について興味を持たれる人、模型作りに興味を持たれる人など、想像以上に周りの反応が大きかったと感じています。協働作業をしていた建築家や学生などは、当初日頃とは全く違う環境での作業に戸惑う場面もありましたが、模型が完成に近づく達成感と、いろいろな方から声をかけられてコミュニケーションを持つことに一種の高揚感を感じていたように思います。私自身、感じた事のない気分が一晩中続いていました。 この様な事が何かをデザインする上で本当に必要なのか?という疑問もあるかもしれません。しかし、我々が取り組もうとしているこれからの「まちづくり」にはこういった場が不可欠なのではないかと感じています。コンペで設計者が決定した後、市民参加型のワークショップなどを行うことは一般的にはなっています。しかし宮島口の様に、様々な人に向けてのまちづくりになる場合、住民の意見からだけでは洗い出せない課題が数多くあります。こういった課題を様々な分野の人間と協力して見つけ出し、新しいシステムを提案しながら、課題を繋げて解決していく方法を提案することにこそ、建築家やデザイナーが「まちづくり」に関わる意義があるのではないかと考えています。今後の活動を経て、TREES
Work Sessionに参加しているデザインチームからどのような提案がでてくるのか、非常に楽しみです。
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